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患者中心の歯科医療


【予防型総合歯科医療】

 
















歯科医療は『病気−治療』を基本としたビジネスとして発展してきました。
ですからこのビジネスが成功する為には、よりおくの病気を持った患者というお客様が来院され、治療という商品を購入いただく事が必要でした。
病院の開設者である歯科医師はより良い医療を提供しようという医療者としての思いと、より多くの収益を上げようという経営者での思いから、より多くの歯科医療技術の修得と、最先端の医療技術の提供に取り組んできました。
これは自然の流れでしょう。このことは歯科医院が治療という商品を提供しているお店として考えなければ簡単に理解できます。

例えば魚屋さんがあるとしましょう。その魚屋さんが繁盛するには、より多くの種類の、新鮮な魚を取り揃えて陳列しておくことが大切です。そのことにより、そのお店を利用したお客様の多種多様な要求にお答えする事ができ、お客様の満足感がうまれます。

歯科医院もこれと同じです。お口の中の問題は多種多様であるため、歯科医院を利用される患者さんの問題を解決する為に様々な治療方法を持ち、それを質の高いレベルで維持するように努めてきました。
通常の基本的な治療方法のみならず、矯正治療・インプラント治療・ホワイトニングや審美歯科など、それは様々な分野にわたり、それらを歯科医院というお店で陳列しているのです。
しかし、その様な様々な治療方法も今日においては他の医療機関との差別化の要因としては意味を成さなくなってきています。

なぜなら、どこの歯科医院でも上記のような医療サービスを提供しているからです。そして最近、にわかに予防という概念が注目されるようになって来ました。
歯科医師の治療以外に、歯科衛生士が主体となり専用のスペースを利用して患者さんの口腔ケアを行うというサービスが出てきたわけです。
多くの歯科医師はこぞってこれこそが次に備えるべき医療サービスのコンテンツと考え、あたかも陳列棚に新商品を並べるかの様に増やそうとしたわけです。
しかしこの予防というものはそのほかの商品サービスと同様に扱われ、今までの商品群と並列してちんれるされるようなものであったのか、この連から考え直す必要があります。

元来予防とはどのような意味を持つのでしょうか。
国語辞典からその意味を検索すると、「悪い事態を生じないように気をつけ、前もって防ぐこと」とかかれています。
この意味を歯科医療にあてはめてみると、患者から見たときの悪い事態とは、おいしく食事ができない、人前で笑えない、口臭がある、痛みがある、治療を受けなければならない、時間がかかる、お金がかかる…などといった問題でしょう。
つまり予防をするということはこのような事態が生じないようにすることなので、集約すれば、「自分の歯が悪くなることなく、生涯に渡り使い続けられるようにすること」ということになるでしょう。
予防を軸として医療結果と医療経営において良好な結果を期待するのであればこのようなかんじゃの目線から見た予防の概念を具体化していかなければならないのです。

予防を考えるとき、歯科医療者は今までの「病気−医療」というビジネスモデルの中で考えてきました。
しかし、予防とは今までとは異なる「健康−予防」という概念の中で考えられなければならないことなのです。
特に患者の目線で考えるならば、口の健康について悪い事態が生じないように医療者が支援する行為全体を指して予防といえるわけであり、この観点から考え、ビジネスモデルとそのためのシステムを考える事が大切といえるのです。


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2005.05.24