特定非営利活動法人 明日の歯科医療を創る会POS 歯科医療ネットワーク メールマガジン |
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患者中心の歯科医療 | |||
【医療システム変換のキーワードT】 | |||
〜歯科医療の第三世代〜 | |||
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歯科医療を取り巻く環境は変化してきています。私たちにはその変化に対応していかなければならないでしょう。
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歯科医師の数が患者数に対応できなかった時代です。また、治療方法も現在のように熟成してはおらず、痛みを持った患者や急性炎症による治療受診が多く、歯科医師はその応急処置に追われていた時代です。多くの歯科医師は一日に数多くの患者をこなすことで追われていました。 歯科衛生士という職業もなく、歯科医師は歯科技工士とともに失われた機能の修復に取り組み、歯科医師が技術屋としての評価をもらった時代でもあります。 |
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包括的歯科医療が唱えられるようになった時代です。現在はその時代がほぼ完成期を迎えていると考えられます。歯科医師の興味は咬合理論、カリエスや歯周病の病態解明に向けられそれらに対する適切な治療方法も完成しました。歯牙の欠損に対する機能回復は、様々な補綴設計にインプラントという手法が予知性の高い治療方法として確立され普及いています。また、歯槽骨の再生から歯牙の再生にいたるような先進的な医療技術も研究が進み実用化の目処が出てきました。多くの歯科医師や患者が望んだ、機能回復がどのようなケースにおいても可能となるような時代として熟成してきたといえます。 この反面、歯科医療の経営環境は厳しい状況へと変化しました。歯科医師の数の増加と患者数の減少は、第一世代の歯科医療環境をモデルとして構築された出来高製の保健医療システムの問題点を露呈し始めています。第一世代での医療事情を基本として構築された出来高製の保険医療システムでは高度化する医療サービスをフォローしきれず、採算性の悪い状態を招いています。たとえば、根管治療を例にとってみましょう。加重平均値による日本の根管治療費は5,800円であるのに対し、アメリカでは同じ処置が108,000円、イギリスでは92,000円、カナダでは52,000円といったようにおおむね10倍以上の違いがあります。医療技術は世界で同一でありながら、その評価は桁違いに低いという歪んだ現象が生じているのです。 |
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歯科医療が失われた機能の修復を目標とし続けるのであれば、それは完成したものといえるでしょう。 しかし、人々がより豊かになり、そのことによる自己実現の欲求がより高いものとなってきた今日においては口腔内に対する期待は変化しています。生涯にわたり口腔的な健康を守りたいという期待へ変化してきているということです。このように発展した期待に応えることが医療者の目指す医療サービスの変革の方向性であり、それこそが歯科医療の第三世代といえるでしょう。 この世代では『健康ー予防』の概念が重要となります。成長期に提供すべき医療サービスは、健康な口腔を育成するためのものであり、成人以後においては病気の発生を予防し、健康な状態を維持・増進することです。 さらに、質の高い口腔の健康という観点からは、より審美性を追求し、若々しさを維持していくことも期待の要素として発生してくることでしょう。これらの期待に対応していく医療サービスシステムの構築も求められると考えられます。 |
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