患者中心の歯科医療
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【患者の権利と変換のキーワード】 | ||||||
〜患者の権利と世界標準の医療の流れ〜 | ||||||
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【歯列に欠損のある患者の事例】![]() 後日、この患者はインプラントという治療方法を知ることになります。『インプラント治療であれば、義歯にくらべてしっかりとかむことができ、違和感も少ない』という情報です。 患者は義歯を作製した歯科医師に対して『なぜインプラント治療のことを伝えてくれなかったのですか』と。 歯科医師は、この患者の場合インプラント治療に向かない条件を持っていること、自分自身はインプラントを信用していないこと、高額な治療費がかかることは患者の生活の負担になるなどを考慮して、義歯での治療が患者にとって最善な治療となるという考えから、歯科医師自身が患者にとって適切な選択肢として選んだと伝えました。 患者は、歯科医師が患者自身のことを考え善意に基づいて”患者にとって最善の治療”を選択してくれたことを知り、その好意には感謝しましたが、結果として手に入れた機能回復が、自分自身の求めていたものとは異なり、そのことによる生活上の不都合を引き受けて生活を送らなければならないのでした。 医療に参加する権利・知る権利・学習する権利・安全な医療を受ける権利・最善の医療を受ける権利・平等な医療を受ける権利・医療における自己決定権これらが正しく守られるような医療展開であったかが問われるのです。 |
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この一連の流れをどのように考えるでしょうか・・・・ 歯科医師は医師としての良心に従い、最善のことを行ったので、医療者としての満足は手に入れました。 しかし、結果として患者は自分が満足できる最善の結果を手に入れる事はできませんでした。 既に、アメリカでは同様のケースでの司法判断が下されていますが、歯科医師側に説明義務違反の判決が下されています。 医療における自己決定権とは、患者は様々な状況を患者が理解できるように医療者に説明してもらった上で、自分自身の意思により、自分が受ける医療を決定するということです。 先の事例の歯科医師は、自分自身の主義主張、様々な条件に対する判断を一旦脇に置き、様々な可能性について話をした上で、患者自身が自己決定できるように支援しなければならないのです。 このような患者自身が医療の内容を自己決定するプロセスを支援するようなシステムを持つことはきわめて大変です。時間の確保や理解しやすいツールなどの整備、また医療者自身のコミュニケーションの能力も求められます。 その一方、このようなプロセスを適切に行えは患者自身が医療に参加するようになり、患者責任が醸成され、より信頼関係が深まることになります。 さらに、医療者が提供できるより良い医療技術を患者の側から求めてくるという結果にもつながります。 医療システム変換においては、患者の権利を擁護した医療システムの構築が極めて重要であり、このシステムを構築していかなければならないでしょう。 このようなシステム構築の具体的内容はNPO法人 明日の歯科医療を創る会POSのホームページに掲載されています。 |
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特定非営利活動法人 明日の歯科医療を創る会POS |