特定非営利活動法人 明日の歯科医療を創る会POS 歯科医療ネットワーク メールマガジン |
患者中心の歯科医療 |
【医療システム変換のキーワード】 | |
〜歯科医療の価値〜 | |
歯科医療システムを変革しようと考えるとき、自分が提供する歯科医療がどのような価値を持つものかを考え、その価値をしっかりと信じ、それを患者に伝えなければなりません。患者さんに対してのあいまいな態度は、患者に不信感を与えたり、重要な決定に対して安易な選択をさせる結果を引き起こすのです。
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保険診療と保険外診療の違いをどのように説明するのか!! | |
◇◇制度で認められている材料の違い??◇◇ |
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患者は、医療者が考えているよりも賢明です。様々な価格のからくりにごまかされないように、注意深く情報を評価しています。ですから、患者は『単に材料の違いであるならば、コストのかからない保険診療を選択します』という選択をする事となるのです。 実際の現場の歯科医師たちが、保険制度では満足な治療は出来ないのだという認識を持ち、そのコストに見合った内容として加減をした医療サービスを提供していたとすれば、必ずその結果は患者に現れ、本来の医療効果を満たさない結果(治療した歯の寿命や治療の寿命が短くなる)が患者に訪れ、その経験が患者における歯科医療の評価として残ることになるのです。 多くの歯科医師が経験した患者の言葉「どうせまた悪くなるのですから、お金をかけても同じじゃないですか」という評価となるということです。 このような結果は、実は歯科医師自身が自分たちの首を自分で閉めているようなものなのです。良質の歯科医療を訴求しようとしても、それが受け入れられないという結果に繋がるわけです。ではどのようにすればこのような結果を回避する事が出来るのでしょうか? |
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歯科医療に対する評価を決めるもの | |
医療者は、先ず自分が行っている歯科医療の質をしっかりと認知し、質の高い治療がどのような結果をもたらすのかを認知しなければなりません。 良質の結果を提供できるだけの状況や環境に無いとすれば、あなたの医療サービスに高い価値は無いのですから、そのことを明確に伝え、その提供できる結果に見合った費用を提示すべきです。さもなくば、患者に対しての詐欺行為と同様といえるでしょう。医療者のライセンスを利用して権威的かつ威圧的に行なわれるこのような行為は、医療者としての品性を伴わない最悪の事態と言えます。逆に、しっかりと自身を持った医療サービスが提供できているのであれば、そのことを正直に伝達する事が必要なのです。 次に大切なことは、歯科医療自体の価値を補綴物に代表されるような物(技工物)の価値として訴求しないことです。 私たち歯科医師が提供する価値とは、綺麗なクラウンや丈夫で入れ心地の良い義歯の価値ではなく、質の高い治療がもたらしてくれる長期に渡っての安定した口腔の健康であり、その事により患者が手に入れる『豊かな生活』の価値なのです。 |
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良質の治療により二度と歯が痛くなる事や歯を失うことも無く、生涯にわたりおいしく食事ができ、また美しい笑顔でいつまでも若々しく過ごせたら、それはどれほどの価値を持つのでしょうか?その価値をお金に換算すれば、どれほどの値段になるのでしょうか? 実は私たちが提供している歯科医療は、そのような観点から評価されなければならないものであり、そのことをしっかりと認識しその価値を信じて、患者に私たち医療者が伝えなければならないのです。世間にはには多くの車が走っています。500 万円を軽く上回る乗用車に乗っている人もかなりの数に及ぶでしょう。またそのような高級車に乗っていなくとも、日本全国どこの田舎に出向いても車に乗らない家庭を探す方が困難な時代となっています。つまり、豊かな生活をするために、価値を見出したものについては一定の支出を行なう豊かな日本人がそこにはいるのです。 |
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大切なことは、車を購入する事や海外旅行、宝石や衣装にお金を使うよりも、日々の生活の質の高さに関わるお口の健康に対し、患者に相応の代償を支払うべきであるという認識を訴求しなければならないということでなのです。このことは、私たち歯科医療者が確信を持って患者に伝えない限り、決して患者には伝わらないということを理解しておく必要があるのです。 |
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