特定非営利活動法人 明日の歯科医療を創る会POS 歯科医療ネットワーク メールマガジン |
患者中心の歯科医療 |
【歯科医師が抱く不安への具体的な対処法】 | ||
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求められる歯科医療〜患者中心の歯科医療の時代〜 | ||
【患者さんの権利擁護−世界標準の医療を目指して−】 医療の世界標準 国連憲章にうたわれる人権擁護の理念を、医療の現場で具体化する手立てが患者さんの権利擁護です。 患者さんの権利を擁護する医療が提供されることにより、患者さんは専門知識をもった医療者に委ねるしかなかった医療を、患者さん自身のものとすることができます。このような患者さんの権利が守られる医療スタイルが標準となることは、患者さんがこのようなシステムをもつ医療機関を選択するようになり、そのような医療機関しか選ばれなくなるという事を意味します。 そして、注目すべき事は、このような患者さんの権利を擁護するという医療倫理観の標準化が、諸外国においては、医療者自身の手によって推進されているという事実です。 1995年9月、第47回世界意思会総会で採択された「患者の権利に関する〈改訂〉リスボン宣言」は、患者さんの権利擁護の意図するところとその内容をかわりやすく提示しています。この中で強調されていることは、患者さんの自由意志による医療の選択権、いわゆる「インフォームドコンセント」の概念です。 |
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この概念については、詳しく後述することにしますが、日本では、この概念が導入される過程において欧米先進国よりも遅れをとっており、このことに日本の医療事情が如実に現れています。この宣言が採択された世界医師会総会では、日本から参加した代表者がこの宣言を批准しなかったというエピソードがあります。当時の日本の代表者がそうしたのは、その時点で日本の医療現場にこの概念が持ち込まれると、医療現場が混乱してしまうというのが理由でした。 日本においては、パターナリズムの医療倫理観に基づき、保健医療制度による医療が実践されているため、この状況では、世界標準が目指す患者さんの権利擁護という環境をつくろうとした時に、あまりにも膨大な患者さんをさばききれなくなるというのが理由だったそうです。 患者さんの権利を擁護する医療を実践する事こそが妥協を許さない医療のあり方であるとすれば、この概念にそった医療スタイルを構築するのが本筋です。現状からみて、すぐには本筋を取り入れようとしない日本の医療行政または医療先導者のスタイルは、医療者としてのあるべき姿からはずれているようにさえ感じます。 しかし、この変革期を迎えた時代では、本筋は何かを見極め、医療の現場に取り入れていくことを大切にしなければならないでしょう。 |
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