特定非営利活動法人 明日の歯科医療を創る会POS
歯科医療ネットワーク メールマガジン
患者中心の歯科医療
【歯科医師が抱く不安への具体的な対処法】 
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求められる歯科医療〜患者中心の歯科医療の時代〜
【患者さんの権利擁護−インフォームドコンセントとは−】

インフォームドコンセントとは、「informed=情報を持った」と「consent=同意する」という2つの言葉による造語です。そして、患者さんの権利擁護におけるもっとも重要な患者さんの権利として取り扱われています。この権利を患者さんが行使するに当たっては、あらゆる患者さんの権利擁護がなされているという前提が必要となります。
インフォームドコンセントを解説するに当たり、未だに一部の医療者においては、患者さんに対し医療者が説明を行う行為、そして医療者がその行為により患者さんの同意を獲得する事と理解されているので、先ずはこれを訂正しなければなりません。インフォームドコンセントとは、患者さんが行う行為であり、患者自身が自由意志において受診する医療の内容を決定する行為です。そして、医療者はその患者さんのインフォームドコンセントを支援する役割を持っているのです。

日本においてこのようなインフォームドコンセントに関する誤解が生じた背景には、医療者にとって都合が良いパターナリズムの医療倫理観を捨て切れなかった、医療者側の思惑が見え隠れします。あくまでも医療のイニシアティブを医療者に残すためには「医療者が患者に説明し、同意を得るという行為」と定義する事は都合が良かったのです。

さて、このインフォームドコンセントは、様々な情報を取得した患者が自分自身の自由意志で医療を選択することなのですが、患者さんにおいて医療に対する知識がない状況では、適切な判断を下す事が出来ません。そこで、医療に対しての知識がなくても適切な判断ができるように、
専門的な知識を医療者がわかりやすく解説するという状況を作ることを医療者に義務付けています。

これば擁護されるべき患者の権利の中で、知る権利・学習する権利として揚げられています。すなわち患者さんがインフォームドコンセントを行う為に、医療者が専門的な情報を解り易く解説を加えながら開示し、支援するという姿勢を義務付けているという事なのです。さらに、このような支援を行うときの態度として、
患者にたいし、威嚇的な態度でプレッシャーを与えたり、医療者個人が良質と考える医療選択にたいして、暗に誘導するような行動や胎動をとったりすることを強く禁止しています

特定非営利活動法人 明日の歯科医療を創る会POS
歯科医療ネットワーク  メールマガジン2006.6.29