特定非営利活動法人 明日の歯科医療を創る会POS 歯科医療ネットワーク メールマガジン |
患者中心の歯科医療 |
【歯科医師が抱く不安への具体的な対処法】 | ||
歯科医療変革のキーワード | ||
患者さんの期待に添った医療〜患者さんの真の期待を知る〜 | ||
【患者さんは何を期待して来院しているのか】 | ||
患者中心の医療は、患者さんにとってどのような医療が良いのかを選択していただき、患者さんの自己決定に基づいて展開されるものです。この実現の為に、医療者には次の義務が発生します。 それは、私達医療者は、患者さんに提供できる医療サービスの内容の違いについて十分な説明を行い、そのうえで患者さん自身の自己決定の結果を受け入れるという手順を、確実に実践することです。つまり、このような医療選択にまつわる情報を提供し、その選択を患者さんに委ねるだけでは不十分なのです。 患者さんが医療サービスの内容を選択する場面においては、表面的なわかりやすい選択基準により選択してしまう傾向があります。 例えば、保険制度の適応がないが、審美性・機能性・適合制度が高いクウンの場合、患者さんの負担は10万円で保険制度が適応するクラウンの場合の負担は3000円という例があります。患者さんは、わかりやすい用件、この場合は治療費用の違いにおいて選択してしまう傾向が強いものです。 しかし、この患者さんには「いつまでも若々しくありたいし、歯を大切にして入れ歯にはなりたくない。なぜなら、いつまでも異性からは魅力的であるといわれたいし、そのようであり続けることが自分らしい自分である」といった本人の自己実現の姿とつながるような期待(真の期待)があったとしましょう。 |
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この目的を達成するには、目先の金銭的な問題以上に、より質が高く、審美性が高いものを採用することが重要であることは、医療者であれば容易に判断が出来ます。 患者さんに情報を与えたうえで、患者さんによる自己決定をしていただくことは重要ですが、その判断を行う基準は、表面的な部分によるものであってはならず、患者さんが自らの自己実現に繋がるような、深いレベルでの真の期待を明確にした上で、その期待を叶えるものとしてどのような選択が適切であるのかを判断していただくことが大切なのです。 医療者は患者さん自身の潜在的な真の期待に気づくよう、また医療者が真の期待をふまえたうえで、患者さん自身の期待の実現を支援できるよう、その期待を聞き出し、顕在化させて、患者さん自身に自覚していただかなければなりません。このような手順で医療を展開することが、患者さんの期待に添った医療を行うということです。 |
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