特定非営利活動法人 明日の歯科医療を創る会POS
歯科医療ネットワーク メールマガジン
患者中心の歯科医療
【歯科医師が抱く不安への具体的な対処法】 
予防型総合歯科医療
〜予防歯科の定義と患者さんが求める歯科医療〜
【予防歯科をするということ】
予防を「生涯口の健康を守る」と定義した時、医療の現場ではどのようなことがなされなければならないのでしょうか。
あなたの目の前に一人の患者さんが現れたと仮定して考えてみましょう。
その患者さんは、あなたに対して「先生、私は死ぬまで自分の歯を使いたいし、失いたくないのです。そのために先生がやれといわれることは何でもします。どうしたらいいのか教えてください。」とリクエストをしました。あなたは何をどのようにするでしょうか。

すぐに口腔内を確認し、必要に応じて検査も行い、ベストな修復物を作成するために保険外の材料を用いて治療を開始するでしょうか。
この答えを考える際には、まず歯科医師であるあなたが、あなた自身の歯を生涯にわたり失うことなく使い切れると確信できているかに関係します。
もし、あなたがその結果を導き出す方法を知らなかったり、あるいはそれができなかったり、また、そのような方法は知っていてもその結果を得ることは出来ないと考えていたりするならば、あなたにはここで定義した予防の意味に基づく予防歯科・予防歯科医療は実践できません。

逆にできると考えているならば全く難しくはありません。あなたが考えるその通りの事を行えば良いだけの事なのです。

では、より具体的に予防の定義が意味する内容の実践方法を考えましょう。まず最初にする事は、その患者さんには歯を喪失に至らしめる口腔内の病気が存在するか否かを確認することです。下記の3つのステップがその手順です。
  1. もし問題があり、治療介入が必要な患者さんであったとしたら、今悪くない歯(健康な歯)を、悪くならないようにするために、病気の原因を除去します。
  2. 悪くなってしまった歯は、その原因を除去したうえで出来うる最善の状態に回復させます。
    • @、Aの介入が終わった事で、健康を回復できたならば3へ
  3. その健康な状態が維持できるように支援します。
治療介入の必要がない患者さんであれば、Aを除く2つのステップがその手順となります。つまり、@原因除去、A総合治療、Bメンテナンスを、歯科医師と歯科衛生士の共同作業により行う事が予防の定義が意味する結果を手に入れる事であり、予防歯科の実践ということです。

特定非営利活動法人 明日の歯科医療を創る会POS
歯科医療ネットワーク  メールマガジン2006.11.16