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一昔前は、何世代もかけて伝承されてきた安全で病気をしない食事を、飢えと戦いながら維持してきました。死は、感染症や事故、食べられないための栄養不良からきました。食べられるものを食べるのが食事だったのです。食べ物が身近にあふれ、選択肢が増えるにつれ、食べなくてもよいものを食べさせられるようになってきました。それにつれ食べることで病を得るようになってきました。今までにない時代です。新たな規範として味覚を作ることが求められています。 健康は栄養だけでは得られません。適度な運動とストレスを溜めないことと、健全な精神活動とは無縁ではありません。ヒトは、自ら考え選択しながら生きる道を探さなくてはいけません。内なる味覚センサーを鍛えながら、生き方を探る中での食の新たな姿が浮かび上がってくるでしょう。
『“食育”は歯科医療を変える』 クインテッセンス出版株式会社 丸森 英史 より
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