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子供の生活習慣に対して、国が口をだすことは、かつてはあまりなかったのです。最初のきっかけはアメリカでした。米国では心臓病が増大して、医療保険が増大し、医療費のために企業や国がおかしくなり始めたのです。ニクソン大統領は、約1000人の栄養・食生活関係者、あるいは保健・医療関係者を集めて報告書を作製しました。それをマクガバン上院議員がまとめたので「マクガバン報告」といわれています。 「アメリカ人の心臓病を防ぐためには、食生活が大事だ。とくに油を減らして穀類を増やす、どっちかというと日本人のような食生活がいい」という報告書が議会に提出されました。その後、アメリカは1990年から「ヘルシーピープル2000」をスタートさせ、10年間の数値目標を掲げました。満遍なスローガンではなくて、きちっと数字の目標を掲げたのです。それを参考にしたのが「健康日本21」(2000年)です。2005年7月には食育基本法を施行し、2008年から食育推進基本計画により具体的な活動が始まりました。そのなかで歯科に関しては「食生活を支える口腔機能の維持などについて指導を推進する」と書かれています。
“食育”は歯科医療を変える クインテッセンス出版株式会社 丸森 英史 より
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