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[ 2010/5/10 ] ダイエットの光と影 〜思春期〜  思春期ダイエットの問題点
文部科学省による平成19年度学校保健統計調査速報による痩身傾向児の出現率は、女子で高い傾向がみられ、11~13歳で3%を超えています。12歳がもっとも高く4.0%でした。
 過食で太る子供たちがいる反面、ダイエットに走る子供たちも問題です。
 思春期の女性のやせは、月経不順を引き起こす恐れがあるほか貧血や将来の閉経後の骨粗しょう症の原因になります。骨を作るピークは一般的に20歳前後で、それ以降は増えにくくなり、減少に向かいます。思春期を含む10代は将来に向けてからだの基礎を作り、十分な骨量を蓄える大切な時期といえます。
 女子児童のやせが増えてきた背景には、やせていることを“ファッション”として捉えている傾向があるためとみられています。日本学校保健会が平成16年に行った調査によると、「やせたい」と思っている割合は、女子では中学生の80%、高校生の約90%が痩身願望を持っていました。実際に体重を減らす努力をしたのは中学生で18.4%、高校生で38.7%であり、女子のダイエット経験者、痩身願望は中学校以降に目立っています。
 ダイエットの方法には、運動する、おやつを減らす、があげられており、それ自体はよいことですが、食事の量を減らし、ダイエット食品をとるとした回答も1割前後あり、気になるところです。食事を大事にする視点がファッションに負けているのは大問題です。テレビや雑誌の影響もあり、母親のダイエット行動の影響も指摘されています。
 日本人の食生活の欧米化は既に終わっており、これから心配すべきは日本人全体の低栄養化だと指摘する声もあります。(柴田博 桜美林大学)。柴田氏は20代の女性の栄養状態が特に悪くなっていると指摘しています。そのなかで1995年から2003年の8年間に11.2%もエネルギー摂取が減っており、2003年度の1,683kcalは「2005年度の日本人の食事摂取基準」での2,050kcalに比べて実に18%も少ないことを指摘しています。この柴田氏も関わった東京都老人総合研究所での「通称小金井研究」では、健康で長生きしている人は多種多様な食品をしっかりと食べていると報告しており、肥満などを気にして食事制限をしていると老化を早めると注意を喚起しています。
 若者のやせ願望は、既に20代にして老人の入り口に立っているということになるのでしょうか。

 『“食育”は歯科医療を変える』 クインテッセンス出版株式会社  丸森 英史 より
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