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[ 2009/8/20 ] 食乱れが朝食に現れる 〜日本とアメリカの現状〜  健全な食生活は虫歯になりにくい
アメリカで行われた調査ですが、健全な食生活(朝食を毎日食べる。または1日に5種類以上の野菜・果物を摂取する)をしている幼児は、虫歯になりにくいことが報告されています。朝食を十分摂ることで、スナック菓子などの甘いものを摂る機会が少なくなることが考えられています。平成17年国民健康・栄養調査では男女とも「毎日食べている」との回答は90%以上で横ばい状態です。でも朝食の孤食化が目立つようになってきています。夜更かしや、運動不足が影響を与えているようです。
 富山で行われたコホート研究で中学3年生の食事調査が行われています。富山スタディは、1989年4月2日〜1990年4月1日に富山県で出生した集団を対象に、社会環境や生活習慣と小児の健康について調査している多施設共同研究です。朝食の欠食や不規則な間食、運動不足・運動嫌い、夜更かし・睡眠不足が小児肥満と関連することを明らかにしてきました。糖質、米飯摂取量の観点から食事内容を検討すると、米飯の摂取量が多いとほかの食品群の摂取も増えています。しかし糖質が多い群では米飯摂取が少ないと砂糖などの単純糖質が多くなり、主食に菓子パンを選択している生徒が多く認められました。糖質や米飯の摂取が少ないときには、ダイエットを目的にした食事傾向がみられたんぱく質、鉄、カルシウムの摂取不足もみられたと報告されています。「不健康なやせ」もこれからの問題のようです。
 子供の生活習慣と虫歯の関連を調べた研究があります。その中で虫歯が多い子供ほど食事が不規則になる傾向や、テレビを見る時間も長いことが示され、虫歯と食生活を含む生活に影響されることを見出しています。
 Marshall TAらは、過体重のリスクを持つ子供たちには虫歯になりやすい傾向を見出しています。とくに貧困層では肥満と虫歯のリスクが共通していることがみられました。
 虫歯ができる生活習慣の背景が、虫歯だけではなく、多くの生活習慣病の共通因子になっている様子がうかがい知れます。
 先進国でも子供たちの多くは脂肪分、糖分、塩分、カロリーを摂りすぎており、それは将来の生活習慣病に結びつくのです。必要栄養素の少ない偏った食習慣になりやすいのです。虫歯予防に必要な食習慣は、虫歯だけにとどまらず生活習慣病予防にまで影響を持ってきます。このことは、幼児の親・養育者・政策決定者に対して、幼児の健全な食生活を促す歯科保健教育が必要なことを示しています。

『“食育”は歯科医療を変える』クインテッセンス出版株式会社  丸森英史 より
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