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過食の実態 〜何が多いのか、どうしてそのような生活になったのか〜A 日本の食の現状
1985年ごろからの食の外部化の進展にともない、食料品の輸入が増加しています。農林水産省の資料によると、生鮮食料品を含めた食料品などの輸入額は、2005年には5兆5000億円と、国内の農業・漁業生産額の半分に相当する額が輸入されるまでになっていることから、食品の自給率をあげるため新たな戦略が必要とされているようです。 特に2006年度の食料自給率(供給熱量ベース)は39%と9年ぶりに低下したことから、取り組みを強化することを狙っているようです。具体的には、食料自給率の向上に向けて食料自給率に大きく影響すると考えられる米、飼料作物、油脂類、野菜の4つの重点品目に着目し、@自給率に関する戦略的広報の実施、A食育の推進、B米の消費拡大、C油脂類の過剰摂取の抑制など、D飼料自給率の向上、E野菜生産拡大の6つを集中重点項目と位置づけ、生産・消費の両面から国民運動として取り組みを強化するとされています。(平成19年度食料・農業・農村の動向、農林水産省)それらの裏返しが現在の日本の食の現状なのでしょう。 厚生労働省「国民健康・栄養調査」(2005年)によれば、食習慣を改善したいという国民は5割程度で、その半数が「食品を選んだり、食事のバランスを整えるのに困らない知識や技術」を身につけたいと考えていると報告されています。食育の推進が、米などの“日本製品”の需要拡大を狙っているようですが、本来の健康に結びつくような成果を期待したいところです。
『“食育”は歯科医療を変える』 クインテッセンス出版株式会社 丸森 英史 より
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