NPO法人 明日の歯科医療を創る会POS HomeSitemap
登録歯科医院を検索
設立趣旨 健康を守る為の歯科医療 認定歯科医療機関制度 WEB公開講座 困った時の相談室 賛助会員一覧 新規登録 DENTIST HYGIENIST TECHNICIAN
最新のお知らせ
>> TOPICS一覧に戻る
[ 2010/1/1 ] 忍び寄る砂糖の影響〜最近の研究より〜A 肥満人口の増大
忍び寄る砂糖の影響〜最近の研究より〜A
肥満人口の増大

 食べすぎは、ほとんど脂と砂糖の摂りすぎにつながります。肥満や糖尿病と歯周病は、相互に影響を与えていることは疫学的に多くの証拠が示されていますが、体のなかでどのようなメカニズムで相互作用をしているのかという研究は精力的に行われて、次第に成果が上がってきています。
 一方で食べすぎの現状は、ノースカロライナ大学栄養疫学のBarry M.Popkin教授による報告があります。米国、メキシコ、エジプトおよび南アフリカ(黒人女性)では、すでに総人口の60%以上が過剰体重または肥満の範疇に含まれるという状態で、このグループが年率0.5〜1.5%という驚くべき速度で増大していると報告しています。
 エネルギーバランスの崩れを招いた最大の理由は、エネルギー密度が高い食品、糖分の高い食品を主体とする食生活が浸透する一方で、繊維質含有率が高い伝統的食品がさまざまな加工食品に取ってかわられたことにあると指摘しています。食品流通のグローバル化を背景とした食品価格の低落、スーパーマーケットの広がりによる食品へのアクセス拡大・都市化進行・大手食品による世界規模での販促宣伝活動などが、この傾向を助長しています。世界の食事情は各国各様ですが、脂肪・動物性食品および栄養価に乏しい甘味料摂取量が飛躍的に増大した一方で、高繊維食品の代表である全形果実野菜と全粒穀物摂取量が著しく低下したという明瞭な食傾向は、ほぼすべての国に当てはまります。
 甘味飲料により、1977年から2006年にかけて平均的なアメリカ人は一日に137Kcalが増え、1年間飲み続けると、体重が6.4kg増える計算になります。現代メキシコ人は飲み物から毎日350kcalを摂り、いまや肥満人口の割合は途上国でも米国のような豊かな国でもほとんど変わらない傾向になっています。しかも、栄養不足から栄養過多への移行は100年足らずでおこっています。その最大の原因は、テレビや乗り物の普及などによって、身体を動かすことの少ない暮らしへと変化したことと、カロリーの高い甘味料や植物油、動物性食品(肉類、魚、卵、乳製品)が安価に手に入るようになったことを指摘しています。世界中がこの傾向のなかにいるのです。



『“食育”は歯科医療を変える』 クインテッセンス出版株式会社  丸森 英史 より
Copyright (C) Asuno Shikairyou wo Tsukurukai Co, Ltd. All Rights Reserved. プライバシーポリシーこのサイトについて運営事務局お問合せ