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脂肪の話 極悪非道トランス脂肪酸に注意!A トランス脂肪酸の人体へのリスク
悪玉コレステロール(LDL)を増加させ、善玉コレステロール(HDL)を減少させる働きがあり、多量に摂取を続けると、動脈硬化などによる虚血性心疾患のリスクが高まるといわれています。また、血中の中性脂肪やリポプロテイン(リポタンパクの一種で、濃度が高いと動脈硬化を招きやすい)の量を増やす働きや、血小板の血液凝固機能を亢進させ、心臓・脳やあらゆる血管内壁への血栓の生成を促進する働きなども指摘されています。 さらにトランス脂肪酸は、心臓病や血管疾患のみならず、2型糖尿病の発症や、アトピー性皮膚炎の脂質組成変化に関係ありとの報告もあります。 まさに踏んだりけったりの悪い油です。 米国や欧州諸国、韓国などで規制の対象とされていますが、日本ではまだ規制されていません。 世界保健機関(WHO)と国連食料農業機関(FAO)の合同チームは2003年に、トランス脂肪酸の摂取量を最大でも1日の総エネルギー摂取量の1%未満にすべきであると発表しました。規制されている国では、店頭の食品にトランス脂肪酸含有量が表示されています。デンマークでは、油脂中のトランス脂肪酸含有量を2%未満に規制しています。カリフォルニア州では、トランス脂肪酸の使用禁止の州法が成立しています。(2008.7.25)
『“食育”は歯科医療を変える』 クインテッセンス出版株式会社 武内 博朗 より
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