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[ 2007/7/20 ] 歯科治療の効果への喫煙の影響
喫煙と歯の早期喪失の関係は,世界各国で報告されています。平成11年歯科疾患実態調査と国民栄養調査の国民統計では,男性では,非喫煙者,元喫煙者,現在喫煙者の歯の喪失本数は,それぞれ3.6本,5.2本,6.4本(50~59歳),6.4本,8.6本,11.3本(60~69歳),14.0本,16.1本,18.5本(70歳以上)でした。女性でも大部分の年齢層で喪失本数に有意差が認められました。日本人も,喫煙者は非喫煙者に比べ,より早く,多くの歯を失います。平成16年の国民健康・栄養調査でも,喫煙者は非喫煙者より「何でも噛んで食べることが出来る」と回答した者,20歯異常の歯を有する者の割合が低いことが確かめられました。
 喫煙者は歯周治療の効果に対しても大きな影響を与えています。喫煙者は非喫煙者に比べて,非外科的処置,外科的処置,長期の支援的治療のどの治療方法でも効果が小さいことが示されています。治療後にたびたび再発を起こす難治性歯周炎患者だったという報告もあります。喫煙者の治療効果が劣る理由には,易感染性や創傷治癒能力の障害が示されており,ニコチンが骨吸収を促進し骨再生が遅延するとも考えられます。
 他にも根管治療の予後が喫煙者で劣ることが示されています。インプラントの成功率も喫煙者で低下します。喫煙の影響は治療初期から現れるため,早期に治療を中止することとなり,最終的な失敗例の報告は少なくなりますが,治療費が高額なだけに,患者だけでなく施術者にもインパクトは高いといえます。審美機能の回復を期待して行われる歯科治療,例えばレジン充填,前歯歯冠修復,ステイン除去,歯肉のメラニン色素沈着除去では,喫煙により色素沈着が再開するため治療効果が低下します。
 このように,喫煙は様々な口腔疾患・症状と関連し,歯科治療の効果にも悪影響を及ぼします。喫煙しない者がタバコの被害を受ける受動喫煙でも,歯周病,小児のう蝕,歯肉メラニン色素沈着への影響が示されています。
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