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[ 2009/7/10 ] WHOの砂糖摂取量の勧告  砂糖の摂取限度は1日の摂取カロリーの10%以内
いま病をグローバルな視点で見たときに、大きな問題になるのが肥満とU型糖尿病の蔓延です。非感染性疾患の広がりです。WHO(世界保健機関)は、その現状を打開するため、2003年に「食生活と栄養および慢性疾患予防について」のリポートを作成しました。そのなかで「砂糖の摂取限度を1日の摂取カロリーの10%以内」にするように提言しました。これに対し世界の砂糖協会や生産国が反対キャンペーンを繰り広げました。この10%以内とは全身の健康のためですが、虫歯の発生もかなり抑制できる摂取量です。健康のための食事を考えれば、虫歯にも必然的になりにくくなります。
 これを踏まえてWHOは、世界口腔保健報告書を作製し、虫歯の最大のリスク因子である甘味飲料の摂取を減らした場合の効果を広く伝えることを提言しています。具体的な手段としては、砂糖の摂取を総エネルギー量の10%以下にすること、砂糖含有飲食物の消費は3回の食事を含め、一日に4回までに制限することを推奨しています。また、砂糖の摂取量が高い国に対しては、過剰な砂糖摂取を減らすための目標を決めることを推奨しています。国をあげて食べすぎをなくそうとしているのです。
 成人の平均的な一日の摂取カロリーは、男性約2.500kcal、女性約2.000kcalといわれています。これはあくまでも平均値で、仕事の中身や生活習慣、年齢、体系、体質によって500kcalくらい前後します。平均として2.000kcalだとすれば、その10%の砂糖量は50gとなり、半分を3度の食事の調味料としてとるとすれば、嗜好品としての限度量は25gとなります。
 この量は、甘いものが大好きな人には「それしか駄目なの」、あまり食べない人には「そんなに食べていいの」と思わせる指針です。今の多くの嗜好品が1パッケージ、または1缶、1ビンにこれ以上の砂糖が含まれていることが多く、賢い食品選択と、食べるにしても全部食べきらないなど食べ方の知恵が必要になります。テレビなどの宣伝に乗せられて食べていると、健康を損ねるリスクが高くなります。ちょっと目を引き、安く、子供たちの嗜好に狙いを定めたものは、周囲の大人たちが十分に気配りしてあげる必要があります。この関わりの繰り返しが、やがて自分で選び判断できる子供たちを育てるのです。子供にとっては、一生にわたる健康への基礎作りです。

『“食育”は歯科医療を変える』クインテッセンス出版株式会社  丸森英史 より
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