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チーム作り・人材育成
患者さんは本当についてくるの?
歯科医師の技術力
歯科医療サービスの対価(保険?OR自費?)
院内システム作りのハードとソフト
トラブル対処
チーム作り・人材育成
講演にあったように改革しようとしても、衛生士の協力が得られない場合はどのようにわかってもらうのが良いでしょうか?、衛生士の協力が得られない場合はどのようにわかってもらうのが良いでしょうか?
院長の思い、医院としての経営理念、経営方針などがどの程度スタッフに伝わっているでしょうか。あるいは採用に際して、採用されるスタッフは医院の指針をどの程度理解して、さらには合意を得た上で採用されたのでしょうか。このような前提条件が整っているにもかかわらず衛生士の協力が得られないとすれば、これは業務契約を遵守していないということで、適切な処分がなされるものと思います。しかし、前述の内容が適切に伝達できていないとすれば、衛生士に限らずスタッフは、自己の能力を医院が目指す方向で発揮したり、改革に協力をすることも困難であるため、経営者としての方針管理を見直すことが重要と考えます。足立優歯科診療所では毎年経営計画書を作成しており、採用の際にはこれを活用し、院内すべてのスタッフが同一の目標に向かって協力体制を構築できるように管理しています。実際に、改革を目指す方に「何から手をつければよいか」と聞かれますが、これも院長自身のビジョンを明確化し、それを経営計画書としてまとめ上げることをお勧めしています。
優れたDHを作り上げる方法はあるのか、どう指導していくかいつも考えています。
その歯科衛生士に内在する成長の意欲と方向性を顕在化させ、本人に認知させることがもっともよい方法です。これは患者に対するアプローチと基本的には同じ手法であり、本人が自らの意思で成長したいと自覚すれば、経営者の仕事はその成長を支援するための環境整備をすることになります。経営者がいくら「良かれ」と感じてさまざまな刺激や仕組みを与えたとしても、本人に「成長したい」という内在している欲求についての自覚がなければ効果はありません

理想的な内容ではあるのですが、スタッフの教育の仕方などを知りたいと思いました。スタッフ教育への対応を教えてください。

スタッフ教育はスタッフの採用から始まるとお考えください。磨けば光るダイアモンドを拾わなければ、いくら磨こうと考えても無理です。スクラップはいくらたたいてもスクラップですし、無精卵は温めるほど腐っていきます。スタッフ採用に必要な要件は、診療所がスタッフに対してどのような期待を持っているのかを明確に伝えること、さらに本人が職場や業務内容に対して何を期待しているのかをしっかりと確認すること、これが重要です。私は採用からスタッフ育成評価までを一連の人事システムとして確立しており、その基本として、「経営計画書」を作成しています。これを基盤として、スタッフが各自の役割を自覚した上でかかわりますので、実態としては「教育する」というよりは「自発的に学ぶ」という状況になっており、またそのようなマネジメントをおこなってきています。
スタッフ全員を含めたレベルアップが必要と思いますが、どの様に時間をとられて、どういう形でされていますか?
またリーダーシップはDr?DH?どなたがとられていますか?(フロアリーダーがおられますか?)
大きな質問なので一言ではお答えできませんが、どのようにレベルアップさせているかという部分でお答えをします。私は、「スタッフが自らの意志で成長しようとするモチベーションの確立」と、「その成長を支援する」というスタンスで関わっています。具体的には、経営計画書により企業理念と責任分担を明確化させ、企業(足立優歯科診療所)の方向性と一致したスタッフしか採用はしません。採用したスタッフは院内のキャリアパスシステムにおいて上位の立場にいる者が、直接的指導を行ないます。オフィスの基本理念や医療サービスの根幹に関わる部分は院長自身が約10時間ほどの話を数週間に分けて話をします。このようなシステムで採用から仕事内容に応じた権限の委譲に至るまでのスタッフとの関わりを、スタッフの自立を支援するという立場で対応しています。患者への対応と基本は同じです。生涯歯を健康に使いたいという目標を明確にして患者自身が行動するのと同様に、スタッフ自身が自己実現のために仕事に取り組むというのを支援することでレベルアップを目指しています
衛生士の育成は具体的にどのような方法で行われているのか知りたいです。
まず行うのは、人として人間としてどの様に生きていくのかという意識を明確に持ってもらうかかわりから始めます。なぜ足立優歯科診療所で働くのか、ここでないといけない理由は何か、さらには人間として個人としてどの様に自己成長したいと考えているのかについて、しっかりと考えてもらいます。その上でその具体像が明確になったとき、私の診療所にそのような自己実現の機会があるのかを再考していただきます。もしそのような環境があったのならば、ここで自分を磨く事は自分自身のためであり、モチベーションが確立します。次には歯科衛生士としてどのような知識・技量・能力を持って欲しいと期待しているかを明確に伝えます。あわせて、依頼する業務に関する一定範囲内での権限の委譲を行います。これによって本人が不足と感じることは自発的に問題解決を行わなければならないという自覚が生まれます。このような経過を経て本人から申告があった内容に関しては適切な学習の機会を提供し支援します。具体的には先輩の指導・セミナーへの参加・勉強会への所属などです。また、スタッフとの契約条件には年間20万円を目安とした講習会援助金の制度を設けています。具体的には本人からの申告があったときその範囲を一応の目安として研修費を支払うというものです
当院もP治療を中心に予防型の診療室に取り組んで7年目になり、ある程度の実績を上げてきていますが、その中心となるDHの扱いに悩むことが出てきました。誇りを持たなければならないが、それがでしゃばるという形でも現れてきています。プライドを持たせつつ、わがままにならないようにするには、どのように管理していけば良いのでしょうか?
そのDHが「誇りを持って」先生の診療室で従事するのはとてもすばらしいことですが、業務内容や執務態度、個人の能力に関する客観的な評価基準がないまま年数が経過すると、本人へのフィードバックの機会をなくし、自信と共に立場や権限の認識違いを引き起こすこともあります。でしゃばり方も、診療室の方針と理念を見据えた上での意見具申や提案なのか、そうではなくただのわがままなのか等によって対応も異なることから、経営方針に対する診療室内での認識の統一と職能要件書の整備、それに連動したキャリアパスプランを作成されることをお勧めいたします。
歯科医療サービスの対価(保険請求??or自費請求??)
保険でメンテナンスを、PMTC、エアフロー、ブラッシング、スケーリングをやっています。最初、患者を増やすということではじめましたが、30分以上かかり、人数が増えると大変です。自由診療にしたいのですが、どこで自由診療に変えれば良いのかわかりません。教えてください。
先生自身が何を目的にメンテナンスを行ない、どのような効果と結果を求めているかによって変わると思います。メンテナンスが患者確保の手法なのであれば、割り切って安価に提供するべきですし、先生自身がお考えになる良質の歯科医療提供のためのものならば、その主旨をしっかりと患者に伝え、その価値を正当に評価できる価格で提供すべきでしょう。まず保険ありきの発想で出発するのではなく、先生の関わる患者がどのようになることが先生の目的なのかに照らし合わせ、必要な事をするために必要なコストがどの程度なのかを見極めて、そのコストの支払方法として保険と自費の振り分けをされることが良いでしょう。患者が安易にメンテナンスを受診してもその意味を理解できていなければ、先生の望む結果が患者に提供されないのではないかと思いますがいかがでしょうか。
最初、保険主体から自費に移行(予防処置)するにはどうしたらよいですか?PMTC的なものを保険でやる方法、最初からやるには値段の設定の問題、人間ドック的なものをやるには金額をどうしたらよいのか?

ご質問が費用設定の問題であるならば、基本的な自由診療の値段設定はあらかじめ決めておかれることをお勧めします。その費用が決まらない場合は、希望年収から時間コストを計算してみてください。
たとえば、税引き後自由に使える年収が1,000万円必要とします。税引き前所得は約2,000万円、経費率を60%とすると年商5,000万円となります。年間の総診療時間が2,000時間とすれば、1時間あたりの必要売上額は25,000円です。
キャンセルなどを考慮して稼働率を80%と考えると31,250円となります。
この売上をどのように作るかですが、ドクターの診療が1時間あたり20,000円を生産するならば、不足は歯科衛生士に依存するとして、1時間当たり12,500円の売り上げになるように費用設定すると良いでしょう。
ご質問が自費型のシステム導入のことでしたら、現在出上がっているシステムを準用するならば、保険中心の中でまずは週に半日からはじめ、このコンセプトについてくる患者を開拓し、アポイントが埋まればその時間を1日・2日‥と増やしていった場合、5年程度ですべてを現在のシステムに切り替えることができると思います

最初、保険主体から自費に移行(予防処置)するにはどうしたらよいですか?PMTC的なものを保険でやる方法、最初からやるには値段の設定の問題、人間ドック的なものをやるには金額をどうしたらよいのか?

足立 優歯科診療所では、精密検査(デンタルドック) 1時間、検査結果報告 1時間、健康管理計画の相談 1時間で、3万円の費用をいただいています。費用に関しては各先生のお考えと医療機関の事情で考えることが重要でしょう。誰かが作り上げた形があるものを導入するという考えではなく、先生が患者への関与を包括的に行ない、なおかつ患者の健康を守るために先生自身が必要と思う情報を集めればよいわけで、それはたとえ保険であっても構わないと考えます。大切なことは、この精密検査の内容のみで採算を取るか、あくまでも予防の方針への導入として患者が納得するための手順の一つと考えるかだと思います。

医療をサービスするということは、たとえばある患者がお金が80%しか支払えない場合、お金はここまでしか払っていないからこれ以上はやりませんという対応をとるのでしょうか?サービス業とはそういうものですが、医療もそんな感じでするのでしょうか?それとも支払えない部分はサービスするのですか?サービスについてお教えください。

私が「保険」と「自費」の違いに関して患者に説明する場合、以下のような内容をお伝えします。「保険でも自費でも治療行為を行うことは可能です。しかし長期にわたり壊れない長持ちする治療をするということになると別の話になります。たとえば冠を作る場合、慎重に歯を削り、しっかりと歯ぐきの炎症を抑えた状態で精密な型取りを行ない、さらには冠が仕上がるまで暫間的な冠を作成することも必要です。また実際の冠の作成にあたってはミクロン単位の精度のものを作らなければならず、技工士は顕微鏡をのぞきながらの作業となります。さらにそのような精度が再現できる良質の材料を利用する事も必要です。このような要件を満たしてこそ長持ちする治療が行えるわけですが、そのためには『時間』が必要となります。現実的には保険診療で治療を行おうとするとき、設定された安価なコストから採算性を求めるため、十分な時間を使うことができません。この結果は治療の質が悪くなるという状況を招き、長持ちしにくい治療結果となってしまいます。そして、この状況はあなたご自身に受け入れていただかなくてはならない現実となるわけです。つまり、良好な結果を得るために『時間』がかかるということ、すなわち歯科医師やスタッフを十分な時間拘束し、手間をかけるということが自由診療ではできるのですが、これにはコストがかかり、それが治療費に反映しているという実態なのです。このような事情を踏まえてあなたがあなた自身の取り替えのない歯に対してどの様に対処されるかを決めていただくことが重要です。コストをかけて長持ちする最善の処置をしていくか、あるいはコストを抑えリスクも引き受けるか、ご自身でご判断いただかなくてはならないと思います。

保険治療でできる事が自費治療とどのように違いがあるのか、医師側は良く理解できるが、その説明が困難。
サービスとは、「人の手を介してその人が必要とするものや役務を提供すること」です。ご質問には「サービス業の意味するサービス」と「おまけをする意味でのサービス」とが含まれており、その点を整理されることがまず必要です。さらに、費用を支払えない患者に対するサービスの手法としてこの質問にお答えするならば、まずは「仕事」と「ボランティア」を識別しておくことと、医療の公共性という視点を明確にしておきたいと思います。・仕事とは:社会的分業制の中で社会が必要とする必要性産物(物・サービス)を一定の時間内で生産し提供すること・ボランティアとは:一定の時間内やコストの制限の中では提供できないが、社会が必要とする生産物を提供すること医療はその公共性の高さから「医は仁術」の言葉に代表されるような奉仕のイメージが強いものですが、すべての仕事は種類に関わらず社会的分業性の中に成り立っているものであり、医療だけが特別の扱いになるものではないと考えます。理由として、医療機関はその活動により収益を生み出し、それをスタッフ、家族、業者に対して報酬として分配していることからも明確です。私財を投げ出し、より良い医療提供のために食えない医療機関を経営される医療者はいないのではないでしょうか。さて、「医療は患者のものである」という観点に立ったなら、患者は自分の価値観と環境の制限の中で許せる最善の判断を患者自身の自由意志ですることが重要で、そのことによって患者責任が明確に生じます。「患者のことを思いやって」というパターナリズムの倫理基盤をベースにすると、患者が患者としての責任を考える機会を奪うことになってしまいます。さらに歯科的疾患の慢性疾患、生活習慣病という側面を考慮したときそれはより大きな問題を投げかけます。患者は健康獲得を医療者に委ねるのでは無理があることを直視し、自らが主体となって健康獲得に取りくまなければなりません。そのような理由から、おまけをするような中途半端な思いやりはすべきではないでしょう。価格にはそれなりの理由があるのです。実際にこのようなケースであれば、私はその方の状況で問題解決ができる方法を共にしっかりと考えます。患者の予算内で取り組む代案を提示したり、支払方法で配慮をしたりしています。過去に大学1回生の患者が、貯金とアルバイトの収入での支払いを希望したので、約100万円の治療費を金利なしで4年間毎月2〜3万円の分割で受け付けたこともあります。あるいはその予算内での問題解決に対し、質の高いレベルでの対応が可能な医療機関(たとえば大学病院)などを患者の意向が反映されるような紹介状を添えて紹介することもあります。金額をおまけすることで喜ぶ方は私も含め世の中には多いものですが、逆にそのようにされることを嫌がる方も実在します。善意の押し売りはせず、同じ立場で問題解決の方法をしっかりと考えるようにしています。

患者さんは本当についてくるの?
実際に治療にとりかかるまでに2.3回来院しないとならないように思いましたが(足立先生の所は)、それをめんどくさいと思われる患者さんはいらっしゃいませんか?
本人の医療サービスに対する期待(歯を使い続けたいなど)を患者自身が認知し、その方法が論理的に患者に理解できるよう説明がなされたならば、患者はそのステップを苦には感じません。私の診療所でも面倒くさがる方はいますが、3回の来院やそのための費用を理由に受診を選択しない方は、早く安く治療を行う代償として、医療の質の程度・病気の再発・見落としによる重篤化といったリスクを請け負うことになります。それをもその方が了解されるならば、私たちは医療者としてその選択を支持すべきであり、その選択こそがその方にとっての最善の治療方法ということになるでしょう。ただし何度もいいますが、適切な説明が患者に理解できる内容として伝達されていることがあくまで前提です
患者のやる気を引き出すポイントは何ですか?1回目の検査し、3回目の治療計画と2回目診断の時、具体的にどうしているのか?
患者の期待を明確化し、患者自身に認知させることに尽きます。検査前に先ずは将来の自分の口腔内がどのような状態でありたいと思っているのか、そのことによりどのような自己実現(期待の実現:おいしいものを食べ続けたいなど)を求めているのかを聴き取ります。常に、その期待を基本として、そのための検査、そのための病気の理解、そのための治療、治療を実現させるための問題点の明確化、その解決策の提示など、すべてを患者の期待や希望を軸として具体的にすすめます。パターナリズムによる医療者の価値観のお仕着せでなく、インディビジュアリズムに基づく患者を主体とした患者の期待の具体化という手順は患者自身がやりたいことなのでこちらが無理に引っ張ることがいりません。患者の期待を聴けばよいということです。カウンセリングによるコミュニケーションの基礎を学ばれるとよくわかると思います

院内システムのソフトとハード
限られた(狭い)診療室の中でのキュアゾーン・ケアゾーンのすみわけをうまく行なうには、どうしたら良いでしょう?コンサルティング(インタビュー)コーナー等を設けていないので、結局すべてチェアーサイドで行っております。
どこまでスペースが許されるのかがわかりませんが、できれば患者に治療イスから降りてもらい、小さな丸イスでも構いませんから、通常の人と人とが会話する環境を確保されてはいかがでしょうか。それが許されない状況であったとしても、最低限、イスを起こし、ドクターはマスクをはずして、患者の視野に入る位置に移動して患者と視線を合わせながら話をすることが重要です。設備以上に大切なのは、先生が「その人の話を聴こうとする姿勢」であり、それが伝われば十分です
院内システムを作るにあたり、具体的プランを教えてください。
ご自身のビジョンを明確化することからはじめ、それを経営計画書として成文化することをお勧めします。これにより具体的なプランとその過程が明確になり、なおかつ院内の士気も高まることでしょう。院長一人では実現不可能です。いかに内外の協力者を集め、スタッフを巻き込んで進めていくかにかかっていると思います。そしてこのためには経営計画書が極めて有効となります
医院のリフォームを含めた新しいコンセプトの歯科医院の作り方について、具体的に教えていただけないでしょうか?(設計・リフォーム・スタッフ教育等について)
新しいコンセプトの歯科医院作りには以下の手順が必要と考えます。
  1. ビジョンの明確化(経営指針書の作成が極めて有効です)
  2. 診療システムを構築する
  3. 各担当者の職務定義を明確にする
  4. スタッフに対しシステムと職務内容を開示し、ビジョンの共有化が可能かと確認とそれに基づく再雇用を行なう
  5. 職能要件書を作り、それに伴う職場環境の整備を行なう。
  6. スタッフのキャリアパスプランとそれに呼応した賃金体系を構築する
  7. タッフの評価システムを明確化する
  8. 不足のスタッフが出た場合には再雇用を行なう
  9. システムを試験的に運用し、新しい診療所の設計のイメージを具体化する
  10. イメージを設計士の協力の下に具体化する 
  11. 実践に移す
すべてのステップでもっとも重要なのは、経営指針書の作成です。システムの変革にあわせてリフォームしたとき、スタッフがその目的と役割を理解し十分に対応できるかが大きなポイントです。まず改革を行なうリーダーが、その意図と内容を明確にスタッフに伝え、理解できるようにすることです。これによりモチベーションが高まったスタッフは、目標に向かって自然に動き始めると同時に志向の違うスタッフは職場を去り、ベクトルを同じにできるスタッフで強固なチームが構成されます。つまり、オフィスにとってもっとも重要な『人』が育つことになり、スタッフ教育については経営者が教えようとしなくても、学ぶ環境を提供することで自然に育っていくようになると思います

歯科医師の技術力
コンセプトには共感できます。一番の問題は啓蒙されたクライアント(患者もしくは顧客)の希望を満足させる治療の技術であり、適確な診断能力であると思います。つまり、個々の歯科医師のレベルアップなくしてはただの客寄せサービスになってしまうのでは?(個人の自覚の問題だと思うのですが・・・)
先生のお考えにはまったく同感です。今回のお話では触れませんでしたが、このシステムを導入するにあたっては、「質の高い医療サービスが実践できること」が大前提です。私が今回のシステムを広く普及させようとする背景には、いい加減な医療サービスの片棒を担いで金儲けするのを手助けしようというのではなく、着実に良質の医療を提供しようと努力している歯科医師を応援しようという思いがあります。もし、中身の伴わない歯科医師が予防のシステムを取り入れた場合、収入的な改善はあっても、医療者としての自己実現はかなわないでしょう。だからこそ、医療者としての成功に経営を追随させるため、患者・スタッフ・医師の三者がそれぞれ満足していくことを目指す私たちが、立ち上がらなければならないのではないでしょうか
技術面に関して、何を目安に自分の技量をはかるべきか、あるいは開業するのに十分かを教えていただきたいです。
私が師事しているP. E. Dawson先生はその著書の中で、Complete Comprehensive Dentistryの実践について、非常に整理された見解を述べています。口腔内が崩壊するには2つの要素が関与しています。それは「直接的原因因子」と呼ばれる要素と、「間接的関与因子」と呼ばれる要素です。「直接的原因因子」とは口腔を破壊していく直接的なもののことで、細菌と咬合ストレスの2つです。「間接的関与因子」とはいわゆるリスクファクターのことで、免疫機構、全身疾患、生活習慣、喫煙などのことです。この2つの要素をコントロールできるようになれば、あるいは先生なりにその2つの要素に対する評価関与の基準とシステムを構築し、そのための技術を習得されたならば、開業するのに十分な技量を持ちえたと考えてよいのではないでしょうか。
 なお老婆心ですが、開業という段階においてはご自身の技量以外に「経営管理」「人事管理」「人材育成」といったおおよそ歯科医師とは違う次元での能力やシステム構築が必要になることを忘れないでください。このシステム構築は私たちが学んでこなかったものであるだけに大変です。この点についてはその分野の専門家に支援をしていただくことが適切かと思います。医療はサービス業です。経営という側面から見たとき、それはマンパワーをコントロール能力が問われることになるのです

トラブル対処
CureからCareへのサイクルを作ることは非常にわかりやすく理解できました。ただ、CareからCureへ戻るケースの患者の反応(リコールに来ているケース)が知りたく、その原因の説明の仕方や、医院としての責任の取り方などの対応の仕方をお聞きしたかったです。
Cureが終了しCureに導入する際に、再度患者のインフォームドコンセントを獲得しておくことが重要です。包括的な治療の結果として、何ができて何ができなかったのか、それが将来的にどのようなリスクを背負っているのかを明確に伝達しておくことが必要です。医療は、その内容が保険・自費の如何に関わらず準委任契約として提供されるものであり、結果保証はできません。しかし患者としては信頼して体を任せているわけで、再度Cureが必要となれば「なぜ」と感じるのは当然ですので、予めリスクについては説明をしておき、責任分担を明確にしておくことが大切です。ただし、明らかな医院側のミスジャッジや医療過誤の場合は正直に謝罪し、改善策を受け入れていただくことをお奨めします。費用弁償を含め、このような流れで患者との関係が進展した場合、トラブルについて患者からのクレームが発生することはなく、逆に医療者が小手先の対応で回避しようとすると厄介になる上に、患者は離れていくと考えます
患者クレーム、医事紛争などに対する対応力、応対をどのようにすればいいのか?何を知ればいいのか
日本は欧米のような訴訟社会ではなく、基本的にトラブルが少ない国柄です。その点は私たちにはありがたい環境といえるでしょう。しかしながら、患者のクレームは顕在化しなくても主治医を変える、風評を流すといった患者の行動で表面化します。このようなことを未然に防ぐには「コミュニケーション力の強化」以外にはないでしょう。この「コミュニケーション力」とは「患者の期待を明確化する能力」であり「必要な情報を提供する能力」で、いわゆる「カウンセリング能力」と「ガイダンス能力」に他なりません。この二つの能力を習得することが日常においての基本と考えます。この能力を備えた上で、インフォームドコンセントを獲得して治療に取り組んでいるならば、基本的には問題は生じないと考えてよいかと思います。この状況で万一トラブルが生じても医療過誤がなければ、準委任契約である医療契約において歯科医師が負けることはないでしょう。ただし明らかな医療過誤が生じた場合に備えては、歯科医師会の医事処理委員会か弁護士とのルートを確保しておくことをお勧めします
 
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